営業フォーキャストとは?受注見込みの根拠と更新方法

営業のフォーキャストは、一定期間にどれだけ受注や売上を見込めるかを予測することです。報告では金額だけでなく、「何を根拠に、いつの受注として見込むか」を説明できる形にしましょう。

Microsoftの営業予測の解説も、商談情報などから期待収益を把握し、定期的に見直して計画に使う考え方を示しています。Microsoft Learn:営業予測の概要

この記事では、IT営業を学ぶ方に向けて、月内の受注額を予測する場合の判断表と更新例を紹介します。表や手順は本記事の提案であり、テクノヴァースの社内運用や実績を示すものではありません。

最初に、予測する金額と期間をそろえる

まず、集計対象を「今月の受注額」「今四半期の売上」など一つに決めます。本記事では、社内で定めた受注の条件を満たす予定の月に、案件の受注額を集計する想定で説明します。売上の計上時期を予測する場合は、受注予定月をそのまま使わず、対象となる条件と時期を別途確認してください。

目標と予測も分けて記録します。Microsoft Dynamics 365 Salesでは、期間中の目標であるQuotaと、確信度別の見込み額や受注済みの額を別の列で扱っています。Microsoft Learn:予測の表示と管理

運用を始めるときは、次の項目をチームでそろえることをおすすめします。

  • 対象:受注額、売上、粗利などのうち何を予測するか。
  • 期間:月・四半期など、どの期間に含めるか。
  • 金額:税の扱い、通貨、契約総額と月額のどちらを使うか。
  • 確定条件:何を確認したら受注済みとして扱うか。

例えば月額の見積もりと契約期間全体の金額があるなら、同じ集計欄へ入れる前に基準を合わせます。目標に足りない分は差額として示し、案件の根拠とは別に扱いましょう。

受注見込みは、商談の段階に根拠を添えて判断する

「見積もり提出済み」は営業側の進捗を表します。それだけで当月に受注すると判断せず、顧客側の決裁や発注までの予定も確認する、というルールを置きます。

次の表は、当月の見込みに含めるかを検討するための確認例です。すべて埋まれば受注が保証されるチェックリストではありません。

論点 残したい根拠 未確認の場合の次の行動
金額・範囲 対象範囲と見積もり版、顧客との確認状況 変更予定の範囲と金額を確認する
予算 予算の承認状況と、その情報を確認した相手 担当者の想定か承認済みかを聞く
決裁 誰の判断が残り、いつ確認する予定か 決裁に必要な資料や会議日を確認する
発注時期 顧客が示す発注予定と残る手続き 希望する利用開始日と発注予定日を分けて聞く
提供条件 技術担当等が確認した対応範囲・時期 未確認の仕様や体制を担当者へ確認する
未解決事項 比較検討、契約条件などの残件 担当者・期限・判断への影響を記録する

根拠には「11月4日、顧客担当者から、決裁会議は11月12日の予定と聞いた」のように、確認日・相手・内容を残します。会議予定の確認と、決裁の完了は別です。予算や検討体制を聞く準備は、IT営業のヒアリング項目も参考にしてください。

高い確度と受注済みを混同しない

Dynamics 365 Salesの予測カテゴリは、案件の受注に対する確信度を表します。Committedは高い確信度のカテゴリですが、受注済みのWonとは区別されています。Microsoft Learn:案件の予測カテゴリ

この区別を参考に、社内の報告でも「受注済み」「当月の有力見込み」「条件付きの上積み候補」を分ける方法が考えられます。これらは本記事の説明用の区分です。名称だけを決めず、どの根拠が必要か、どの条件が崩れたら見直すかまで共有しましょう。

「感触がよい」「担当者が前向き」といった情報は、そのまま受注済みの根拠には使わない運用をおすすめします。

集計例:基本の見込みと上積み候補を分ける

以下は計算方法を説明するための架空例です。各案件は一つの区分だけに入れ、金額はすべて同じ基準の受注額とします。実績や平均的な受注確率ではありません。

案件 区分 金額 判断の前提
A 受注済み 200万円 社内で定めた受注条件を確認済み
B 当月の有力見込み 300万円 顧客と発注予定を確認済み。最終手続きが残る
C 条件付きの上積み候補 400万円 月内の決裁が条件。結果は未確認

この例では、受注済みと有力見込みを合算した基本の見込みは500万円です。Cも月内に受注できた場合の上積み込みの額は900万円になります。どちらも予測の説明であり、500万円の受注がすべて確定したという意味ではありません。

報告は「基本500万円、Cの決裁が月内に通れば900万円。Bの最終手続きが翌月になる場合は300万円を当月から外す」と、金額を変える条件まで添えます。

確率を掛ける方式を使う場合も、根拠なく「見積もり提出後は80%」などと設定せず、採用する確率の算定方法を確認しましょう。ここでは確率のデータがないため、区分別の額で説明しています。

更新は、前回から変わった事実を起点にする

更新頻度の例として、週次で全体を確認し、決裁延期や金額変更が分かった案件はその時点で見直す方法を提案します。週次は一律の標準ではなく、商談の長さや報告用途に合わせて決める目安です。

  1. 前回時点の金額・予定月・区分を残す。
  2. 新しく確認した事実と確認日を追記する。
  3. 金額、予定月、区分のどれを変える必要があるか判断する。
  4. 集計を更新し、増減額と理由を説明する。
  5. 未確認事項の担当者と次の確認日を決める。

例えば、先ほどのBで発注予定が翌月に変わった場合、当月の基本の見込みは500万円から200万円へ更新します。案件が失注したと判断するのではなく、受注予定月の変更として記録します。

記録項目 架空の記入例
前回 B:当月有力、300万円
新しい事実 11月10日、顧客担当者から発注予定を翌月へ変更すると連絡
今回 当月の見込みから300万円を除外。翌月分の根拠は再確認
次の確認 営業担当が11月13日に新しい発注予定と残る手続きを確認

変更のない案件も、根拠を再確認できたのか、追加情報がないだけなのかを区別します。前回の予定日を過ぎている場合は、日付だけを先へ延ばさず、遅れの理由と次の確認先を記録してください。

フォーキャスト報告は「金額・根拠・変化・次の確認」でまとめる

報告を準備するときは、次の四つを短くまとめてみてください。

  • 今回の見込み:対象期間と金額、受注済みと未受注の内訳。
  • 根拠:その期間に含める理由と、まだ残る条件。
  • 前回との差:増減した案件・金額・変更理由。
  • 次の確認:誰が、いつまでに、何を確かめるか。

IT営業への応募を検討している方は、仕事を理解する質問として「受注見込みはどの情報を根拠に共有しますか」「予定が変わった案件は誰と相談しますか」を用意できます。特定企業の評価基準を想定する必要はありません。職務全体との関係は、IT営業の仕事内容で確認できます。

まずは担当案件を一つ選び、見込み額の横に、確認済みの根拠と次の確認日を書き添えてみましょう。

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