IT営業の資格は、名称の知名度だけで選ぶより、担当する仕事で何を理解したいかから考えると学習につなげやすくなります。IT全般の用語を整理したいのか、情報の扱いを学びたいのか、商材の仕組みを深く知りたいのかを分けましょう。
この記事では、公開されている試験の対象者像を材料に、ITパスポートと情報セキュリティマネジメントを比較します。資格を取ることと、応募条件を満たすこと、営業実務を任されることは別々に確認します。
資格は担当業務で困ることから選ぶ
最初に、仕事の説明を読んで分からないことを三つ程度書き出してみてください。「クラウドという言葉が曖昧」「顧客資料をどう扱うか説明できない」「技術担当へ何を質問すべきか分からない」では、優先する学習が異なります。
資格は、その不足を体系的に学ぶための候補です。すべてを同時に取る前提にはしません。試験の対象者像と出題範囲を読み、現在の理解と担当業務に合うものを選ぶ方法を勧めます。
仕事内容自体がまだ曖昧なら、先にIT営業の仕事内容で、提案する対象と担当する工程を整理してください。
ITパスポートと情報セキュリティマネジメントを比較
IPAは、ITパスポートを、職業人などが備えるITの共通的な基礎知識を対象とする試験としています。情報システム、業務、安全な情報活用などを広く学ぶ入口になります。IPA「ITパスポート試験」
情報セキュリティマネジメントは、情報の利用部門でセキュリティを維持・改善する人を対象者像に置き、計画・運用・評価・改善に関わる基本技能を扱います。IPA「情報セキュリティマネジメント試験」
次の右欄は、公式の対象者像を営業の学習目的へ結び付けた本記事の整理です。IPAがIT営業へ一律に推奨する組み合わせではありません。
| 試験 | 公式説明の中心 | 検討しやすい学習目的 |
|---|---|---|
| ITパスポート | ITを仕事で使うための共通的な基礎知識 | 会話に出るIT・業務用語を広く整理する |
| 情報セキュリティマネジメント | 利用部門での情報セキュリティの確保と改善 | 情報の取り扱いや対策の目的を理解する |
難易度の印象だけで上下を付けず、何を学ぶ試験かを見ます。高度な技術内容を説明する職務なら、この二つだけで足りるとも限りません。
学んだ知識を営業の確認行動へつなげる
試験問題を解けることに加えて、学んだ言葉を業務の確認へ使ってみましょう。以下は実績ではなく、学習を振り返るための練習例です。
- 可用性を学んだら、「止まらないサービスです」と言い切る前に、必要な利用時間や停止時の影響を聞く。
- アクセス権を学んだら、資料の受取先だけでなく、閲覧・編集できる人を確認する。
- システム開発の流れを学んだら、今相談されているのが要件整理なのか、実装体制なのかを区別する。
分からない事項をその場で補って約束するための知識ではありません。技術担当へ質問する際に、背景と未確認事項を分けて伝えるために使います。
学習記録には、覚えた用語一つにつき「使う場面」「顧客へ確認したいこと」「自分では判断しないこと」を一行ずつ残す方法があります。知識が実務上の行動へつながったかを見直せます。
資格では埋まらない商品知識と経験を確認する
共通的な知識を学んでも、個々の商材の提供条件、価格、対応範囲が分かるわけではありません。担当する製品やサービスが決まっているなら、現行の公式資料と社内の確認窓口を使って補います。
製品固有の資格を検討するときは、担当商材に合うか、試験の対象版、更新条件、学習内容を確認してください。本記事は特定ベンダー資格の優劣や合格しやすさを評価していません。
また、商談の進め方や関係者への連絡は、資格名だけでは説明できない部分です。応募時は、保有資格に加え、実際にどのように情報を整理したかを、自分の経験の範囲で伝える準備をしましょう。
応募条件と学習計画を別々に読む
求人の必須条件と歓迎条件を読み分け、資格名が書かれていれば対象資格・取得時期などを確認します。記載がなければ、資格保有が必須だと推測して応募を止めたり、反対に学習が不要だと考えたりしないようにします。
学習に使える時間、担当予定の仕事、いま不足している知識を並べ、まず一つの学習目標を決めてください。試験制度や出題範囲は、受験を決める時点で公式案内を確認します。
テクノヴァースへの応募を検討している方は、現行のIT営業の募集ページで職務と応募要件をご確認ください。本記事の資格比較は、当社の追加の必須条件を示すものではありません。