画像生成AIは、文章で指示した内容などをもとに画像を作る技術です。例えばAdobe Fireflyには、テキストから画像を生成する機能や、画像の一部を生成・編集する機能があります。Adobe Firefly公式ヘルプ
企業で試すなら、何の画像を作るかと、誰が確認してどこへ出すかをセットで決めましょう。この記事では、企画のイメージ案、資料の挿絵、広告の背景素材を例に、試す範囲と公開前の確認方法を整理します。用途表や手順は、導入成果の報告ではなく、社内検討のための提案です。
画像生成AIで、まず何を試すか
最初の用途には、完成品の正確さを判断でき、採用前に差し替えられる素材を選ぶことを提案します。例えば、実在の商品そのものを再現する仕事よりも、企画の方向性を比べるイメージ案から試してみます。
| 用途の候補 | AIで作る範囲 | 人が確かめること | 最初は見送る条件 |
|---|---|---|---|
| 企画会議のイメージ案 | 色、構図、雰囲気の候補 | 企画意図との一致、実現可能性 | 実物の完成予想として社外へ確約する |
| 社内資料の挿絵 | 抽象的な概念を表すイラスト | 説明との整合、不要な文字・記号 | 正確な構造や数値を図だけで伝える必要がある |
| バナーの背景案 | 文字や商品を載せる背景 | ブランドとの相性、文字を置く余白 | 公開承認者や素材の確認方法が決まっていない |
| 商品写真の周辺素材 | 背景や装飾の案 | 商品の形状・色・付属品が実物と一致するか | 実物との照合ができない |
この表は、各用途での利用許可を一律に示すものではありません。自社の情報管理、素材の利用条件、公開先のルールを確認してから試してください。画像以外も含めて対象業務を選ぶ場合は、生成AIの業務活用事例も参考になります。
指示には「被写体・構図・用途」を入れる
作りたい画像を担当者同士で説明できる程度まで具体化してから、生成AIへ渡します。最初の指示に入れる項目として、被写体、構図、色、用途、入れたくない要素を決めておくと比較の軸になります。
次は、社内検討用のバナー背景を作る架空の指示例です。特定サービスで結果を保証するものではありません。
社内の業務改善セミナーのバナー背景。青と白を基調とした、抽象的な幾何学模様。横長で、左半分に見出しを置ける余白を残す。人物、企業ロゴ、文字、数字は入れない。
生成後は「もっとよくして」と頼むより、「左側の模様を減らす」「背景の青を淡くする」のように、直したい箇所を指定して比べます。Adobeも、結果が意図に合わない場合はプロンプトの言い換えを案内しています。Adobe公式FAQのUsing Firefly
会社名、日付、価格、商品名などの確定情報は、画像を選んだ後に編集ソフトで別途配置する運用を提案します。文字の校正と画像の確認を担当者が行えるようにするためです。
サービスは画質に加えて契約と入力条件で選ぶ
試行前には、次の項目を利用予定のプラン・モデル・機能に照らして確認します。サービス全体の紹介ページだけで判断せず、実際に使う機能の条件を記録してください。
| 確認項目 | 記録しておく内容 |
|---|---|
| 商用利用 | 利用規約の該当箇所、用途の制限、ベータ機能の条件 |
| 入力画像 | 自社がアップロードしてよい素材か、顧客との取り決め |
| データの扱い | 入力・出力の保存、学習利用、共有設定の説明 |
| 制作上の条件 | 必要なサイズ、編集機能、書き出し形式、利用量や費用 |
| 管理 | 利用者、確認者、契約条件を再確認する担当者 |
例えばAdobeのFAQでは、ベータ表示のないFirefly機能の出力は商用プロジェクトに利用できると説明されています。ベータ機能についても、製品内で明示的に別の扱いが示されない限り商用利用できるとされています。これは同社の説明であり、他サービスやすべての生成物の権利確認を代替するものではありません。Adobe公式FAQ
社内で入力できる情報や確認責任を決める際は、生成AIの社内利用ルールに沿って、画像素材にも適用する範囲を整理できます。
公開前は「権利・内容・表示」を分けて確認する
権利:商用利用の条件と、個々の画像を確認する
サービスが商用利用を認めていることと、個々の画像を公開してよいかは、別々に確認します。日本政府の説明では、AI生成物でも既存の著作物との類似性と依拠性が認められる場合には著作権侵害となり得るとされ、最終的には個別の具体的事例に即した司法判断になるとしています。文部科学委員会の政府答弁(2025年6月18日)
運用上は、参照に使った画像の出所と利用条件を残し、既存のキャラクターや作品に似ていると気づいた場合は採用を保留する流れを提案します。人物、ロゴ、ブランド名が含まれる場合も、利用条件を確認する担当者へ回します。こうした目視確認だけで適法性を保証できるとは扱わず、判断が難しいものは法務などへ相談してください。
内容:実在するものを誤って伝えないか
商品や設備を表現した画像では、実物と照合して、形状、色、部品、付属品、配置を確認します。採用資料や会社紹介で使う場合は、実際の社員・職場・導入事例の写真と受け取られないかも確認対象にします。
社内向けのイメージ案をそのまま社外へ転用する運用は避け、用途が変わった時点で再確認することを提案します。
表示:どのように作った画像かが伝わるか
実物の写真と取り違えられる可能性がある場合は、「AIで生成したイメージ」など、読者が判断できる説明を添えることを検討します。表示義務を一律に断定するのではなく、媒体・広告掲載先の規定と自社方針を確認して決めてください。
最初の試行は、採用できる一枚までの作業で測る
評価する単位は、生成ボタンを押してから画像が出るまでではなく、採用可能な素材が完成するまでにします。次の記録票を、一つの用途で試してみてください。
| 項目 | 記入例(架空) |
|---|---|
| 対象 | 社内セミナー告知用の背景素材 |
| 入力 | 社外秘情報を含まない文章の指示のみ |
| 合格条件 | 指定色、見出しの余白、不要な文字・ロゴがない |
| 確認者 | 制作担当と告知の承認担当 |
| 比較 | 従来制作と、指示作成・生成・選定・修正・確認の合計時間 |
| 保留条件 | 権利や入力条件が不明、修正しても用途に合わない |
条件に合わなかった案も、どこで直しが必要になったかを残します。確認負担まで含めて続けられる用途かを判断し、次の制作へ広げましょう。