IT営業の職務経歴書では、売上実績に加えて、「何を、誰に、どの役割で提案したか」を伝えます。同じ売上額でも、担当商材、顧客、営業期間、既存顧客の引き継ぎなどの条件が分からなければ、仕事の内容を読み取りにくいためです。
担当範囲、提案の進め方、成果の条件をつなげて書くと、自分が経験した仕事を説明しやすくなります。数字を大きく見せるより、面接でも根拠を説明できる内容に整えましょう。
最初に、応募先との接点がある経験を整理する
ハローワークは、職務経歴や能力をまとめたマスターシートから、応募先に応じた内容を選ぶ方法を案内しています。いきなり文章を完成させようとせず、経験を整理してから書類へまとめる考え方です。出典:ハローワーク 職務経歴書の書き方
IT営業の場合は、担当商材、顧客の業種や規模、新規・既存の比重、商談での役割、関係者との分担、実績を書き出してみます。顧客名や価格など公開できない情報は、そのまま使わず、守秘義務や勤務先の条件に従って説明できる範囲にします。
職務要約は、営業の仕事が見える短い説明にする
以下は構成を示すための架空の例です。実際の応募書類へそのまま実績として転記せず、自分の経験に置き換えてください。
法人向け業務システムの営業として、既存顧客の課題確認と追加提案を担当。利用部門へのヒアリング、技術担当との要件整理、提案書・見積もりの作成、契約後の引き継ぎを行ってきました。
「法人営業を経験」と書くだけの場合より、商材と担当工程が見えます。経験年数や顧客数を入れるなら、実際の期間や数え方を確認して加えます。未経験の製品や工程を、応募先に合わせるために経験済みと書く必要はありません。
数字には期間・対象・自分の役割を付ける
売上、目標達成率、受注件数、継続率などを使う場合は、何を数えた数字かをそろえます。チームの売上と個人の担当売上、契約総額と単年度の売上を混ぜないようにしてください。
| 書く内容 | 確認する条件 |
|---|---|
| 売上・受注金額 | 対象期間、計上の基準、個人/チームの範囲 |
| 目標達成率 | どの目標に対する割合か、同じ期間の比較か |
| 顧客・案件数 | 担当中、提案、受注など、どの状態の件数か |
| 改善結果 | 改善前後の条件、自分が実施したこと、他要因の有無 |
たとえば「売上を伸ばした」とだけ書くより、担当顧客の利用状況から追加提案を行ったこと、提案で担当した工程、確認できる結果を分けると、行動が伝わります。因果関係が確認できない場合は、「自分の施策だけで売上が増えた」と断定せず、実施内容と結果を分けて記載します。
技術担当と、どのように協働したかを書く
IT営業の経験を伝える材料は、商談の成否だけではありません。顧客の課題を整理し、技術担当へ共有し、実現条件を提案へ反映した過程も振り返れます。
厚生労働省のjob tagでも、ITコンサルティング営業がSEと同行して技術上の質問へ対応し、提案を進める仕事が紹介されています。出典:job tag
自分の職務経歴書では、「技術部門と連携」から一段具体化します。顧客の運用上の制約を聞き取ったのか、追加開発の範囲を確認したのか、未確定事項を顧客へ説明したのか。技術担当が設計した内容と、自分が整理・調整した内容を区別して書きましょう。
実績数値が出せない場合も、事実から書く
機密情報のため数値を開示できない、個人の実績として分けられない、といった場合は、数字を推定して補いません。担当業務の範囲、工夫した点、確認できる変化を具体的に示す方法があります。
たとえば、商談後の課題一覧を整えた、顧客ごとの検討状況を共有した、技術確認が必要な項目を提案前にまとめた、といった行動です。成果と言えるか不明なものは、実施した取り組みとして書きます。
最後に、職務要約・業務内容・自己PRで説明がつながるかを確認してください。自己PRだけに「提案力がある」と書くのではなく、どの経験が根拠なのかを示すと読み手が確かめられます。テクノヴァースの営業職を検討する方は、採用情報で募集内容を確認し、実際の仕事内容との接点を整理してください。